「奥歯で噛めるのに、前歯が当たらない……」
「開咬って聞いたことあるけど、どんな状態なの?」
前歯が噛み合わないことで困っていませんか?
奥歯はしっかり噛んでいても、前歯が当たらない状態を開咬(かいこう)といいます。見た目に問題が生じるだけでなく、食べ物が噛み切れない、発音が不明瞭になるなどさまざまな影響を及ぼしてしまうこともある噛み合わせです。
そこで本記事では、前歯が当たらない噛み合わせについて、放置するリスクや治し方を解説します。
開咬(かいこう)とは
前歯が当たらない噛み合わせを「開咬(かいこう)」といいます。奥歯はしっかり噛めているのにもかかわらず、上下の前歯が噛み合わずに隙間ができてしまう状態のことです。
開咬の原因は大きく分けて2つあります。1つ目は骨格的な問題です。遺伝的要因によるあごの骨の成長異常などがあります。2つ目は生活習慣の問題です。幼少期の指しゃぶりや爪を噛む癖、口呼吸などでも開咬が引き起こされます。
開咬は見た目の問題だけでなく、前歯で食べ物をうまく噛み切れなかったり、発音する際に空気が漏れて不明瞭になったりすることがあります。
開咬に気づいたらできるだけ早期に専門家に相談し、原因を突き止めて治療を開始することが大切です。
前歯が当たらない噛み合わせの治し方
開咬は矯正治療によって改善できます。症状の重さや原因によって異なりますが、主に以下の矯正装置が用いられます。
- 表側矯正(ワイヤー矯正)
- 裏側矯正(ワイヤー矯正)
- マウスピース矯正
表側矯正は、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる装置とワイヤーをつけて歯を動かす方法です。目立ちやすいデメリットはありますが、さまざまな症例に対応可能です。
一方、裏側矯正は、ブラケットとワイヤーを歯の裏側に装着する方法で、表からほとんど見えません。
マウスピース矯正は、専用のマウスピースを1日20時間以上装着し、定期的に新しいものに交換しながら歯を動かす方法です。軽度の開咬であれば対応できる可能性があります。
ただし、骨格が問題で重度の開咬を引き起こしている場合は、矯正治療だけでは根本的な解決ができません。あごの骨を切って位置を調整する手術が必要になることもあります。
子どもの矯正治療では、舌の癖や指しゃぶりの癖がある場合に、これらの習慣を改善するトレーニング(MFT)を行うこともあります。
前歯が当たらない噛み合わせを放置するとどうなる?
開咬を放置すると見た目だけでなく、全身の健康にもさまざまな問題が発生する可能性があります。
開咬は、口呼吸になりやすいため、唾液の分泌が低下します。唾液には口腔内を清潔に保つ働きがありますが、分泌量が低下すると虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうのです。
また、顎関節に過度な負担がかかり、長期化すると顎関節症を引き起こす恐れがあります。症状が重症化すれば、あごの痛みやクリック音、口を大きく開けられないなど、日常生活に支障をきたす可能性もあります。
さらに、開咬は前歯で食べ物を噛み切れません。食べ物が大きなまま胃腸に運ばれてしまうと、消化吸収が阻害されてしまうことも。また、奥歯に過剰な負担がかかり、歯の寿命が縮む原因にもなります。
開咬は放置するとお口や全身の健康に悪影響を与える可能性があるため、気づいたらできるだけ早めに歯科医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。
前歯が当たらない噛み合わせでよくある質問
前歯が当たらない噛み合わせに関する質問とその回答をまとめました。
前歯が当たらない原因は何ですか?
開咬の主な原因は、以下の通りです。
- 遺伝的要因によるあごの骨の成長異常
- 幼少期の指しゃぶりや爪を噛む癖による悪習慣
- 口呼吸
開咬は骨格も関係していることがあります。成長過程で開咬に気づいたら早めに歯科医師に相談しましょう。
前歯の噛み合わせは自力で治せますか?
残念ながら開咬は自力で治ることはありません。歯科医院での矯正治療が必要です。
開咬は保険適用になりますか?
開咬の原因が顎変形症や厚生労働省が定める特定の疾患である場合に限り、保険適用となります。しかし、ほとんどの場合、保険適用外の自由診療です。
前歯の正しい噛み合わせはどんな状態ですか?
前歯の正しい噛み合わせは、上の前歯が下の前歯を2~3mm程度覆い、前歯の真ん中の線が揃っている状態です。前歯で食べ物を噛み切り、奥歯できちんと噛み砕けます。
上下の歯が正しく噛み合っているか検査してみませんか?
噛み合わせが正しいかどうか、自分では判断しにくいものです。うまく噛めているように感じていても、実は歯並びや噛み合わせに問題があるケースも多くあります。
当院はOh my teethの取り扱いクリニックです。3Dスキャナーを使った歯型スキャンと各種検査を無料で実施しています。
正しい噛み合わせかどうか3D画像でチェックできますので、開咬かどうか知りたい方はお気軽にご相談ください。