手元にジェルが残っている。前に使ったのがいつだったか思い出せない。これはまだ使えるのか、それとももう捨てたほうがいいのか。
調べると、いつまで使えるかについては1年という説明も3年という説明も出てきますし、置き場所についても常温でよいという話と冷蔵庫へという話が並びます。どれが自分の手元のジェルの話なのかが、そこからは判別できません。
この食い違いの理由は、厚生労働省の「歯科用漂白材等審査ガイドライン」を見るとはっきりします。保管の方法も使える期間も、製品ごとに設定するものとして書かれているためです。以下では、その建て付けと、手元で何を見ればよいかを順にたどります。
容器と紙、2つを受け取っている
この文書は、製品を承認申請するときに何を評価するかを示したものです。ジェルは薬剤であると同時に、容器に入って届くモノでもあり、その両方に別々の要求が向けられています。なお、白くする手段そのものの並びは歯の黄ばみを取る方法を、日本歯科医師会の解説は1つの表に並べているで別に見ています。
品質に関する事項は、外観から始まる
まず中身についてです。最初に来るのが、外観の項です。
製品を目視によって検査したとき、粉末、液、ペースト又はジェルが均一であり、かつ、異物があってはならない。
均一であること。異物がないこと。どちらも目視という言葉で書かれています。
容器と外装は、別々の要求として書かれている
次が包装です。ガイドラインはこれを2段に分けます。
漂白材の粉末、液、ペースト又はジェルは、適切に密封し、内容物を適切に保護し、品質に悪影響を及ぼさない直接の容器に入れなければならない。
二次包装は、通常の取り扱い、輸送、保管中に製品及び一次包装を適切に保護できるものでなければならない。
前者が一次包装、つまりジェルが直接入っている容器のこと。後者が二次包装で、その容器ごと包む外装です。
外装のほうには、取り扱い・輸送・保管という3つの場面が挙がっています。運んでいるあいだも、置いてあるあいだも、外装が中を守る対象に入っています。
容器は、中身を入れる側としてだけ扱われているわけでもありません。安全性に関する事項には、こう添えられています。
なお、容器等についても使用方法等を考慮した分類により評価する必要がある。
薬剤の安全性を見るときに、容器も同じ枠で見る、という一文です。ジェルと容器が切り離されていないことが、ここからも分かります。
患者が使う製品には、取扱説明書が付く
表示については、別の項が立っています。
包装には、次の事項を記載(表示)しなければならない。
a) 外装又は直接の容器に表示する事項は、JIS T 6542を参照すること。
b) 注意事項等情報に記載する事項は、JIS T 6542を参照すること。また、製品ごとに注意事項等情報を提供しなければならない。なお、患者使用漂白材は、患者用取扱説明書を提供しなければならない。
a) が表示の場所、b) が製品ごとに提供する情報についてです。患者が自ら使う製品では、そこにもう1つ加わります。
ここから先は、そのジェルをまだ開けていないか、もう開けて使っているかで、見るところが変わります。
濃度の範囲は、期限内・未開封を前提に定められている
まず、まだ開けていない側です。中身の濃度について、範囲が定められています。
範囲の手前に来る2つの条件
該当する一文はこうです。
使用期限内の漂白材によって供給される過酸化水素の濃度は、未開封製品について製造販売業者が表示した濃度から変化率が+10%~-30%の範囲内でなければならない。
濃度そのものの数字ではなく、表示した濃度からどれだけずれてよいかを定めた一文です。手前に来るのは、使用期限内であることと、未開封製品についてであることの2つです。
まだ開けていないなら、見るのは期限の表示
つまり、買った直後の1本と、期限が近づいた1本を、この範囲が同じように扱っているわけではありません。範囲が保たれるものとして書かれているのは、期限内のあいだです。
そして、その期限がいつなのかは製品ごとに設定されます。ここで見る数字は、手元の1本に付いている期限です。
濃度そのものが何に働くのかを分けたのが、自宅でのホワイトニングは2種類ある|市販品と歯科の薬剤は何が違うのかです。ここで見ているのは、その濃度が表示からどこまでずれてよいか、という条件です。
安定性を評価した結果から、保管方法と有効期間を設定する
では、その期限や置き場所は、どこで決められているのか。ガイドラインには安定性という項があります。
先に評価があり、そのあとに値が付く
本品の安定性については、平成20年9月5日付け薬食機発第0905001号「医療機器の有効期間の設定と安定性試験について」等に基づいて評価し、その結果に基づき適切な保管方法及び有効期間を設定すること。
評価して、その結果に基づいて設定する。つまり保管方法と有効期間は、あらかじめ全製品に共通の値があるのではなく、その製品を調べた結果から個別に決められたものです。
保管方法も有効期間も、この形で置かれています。冒頭で挙げた1年と3年、常温と冷蔵という食い違いも、同じ項目について別の製品の値が並べば起こりうる形です。
たとえば、ある製品の場合
具体的にどう設定されるのかは、実際の製品を見ると分かります。国内で承認を受けたホームホワイトニング材のひとつに、オパールエッセンス10%(医療機器承認番号 21800BZG10006000)があります。過酸化尿素10%のもので、公式には使用期間:36ヶ月、要冷蔵と示されています。
オパールエッセンス10%について設定された値です。別の製品には、その製品について設定された値が付きます。覚えておきたいのは36ヶ月という数字ではなく、数字が製品ごとに付いてくるという形です。
開けたあとは、手元の紙に従う
もうひとつの側、すでに開けて使っているジェルの話です。
未開封という前提が、ここに掛かっている
先ほど引いた一文をもう一度見ると、条件は「未開封製品について」でした。開けたあとについて、ガイドラインの同じ項が数字を置いているわけではありません。
ガイドラインが求めているのは、製品ごとに注意事項等情報を提供すること、そして患者が自ら使う製品には患者用取扱説明書を提供することまでです。開封後の扱いを確かめる先があるとすれば、その製品について渡されたものになります。
保管の条件は、指示に従うことを前提に組まれている
同じ文書の別紙には、基本要件への適合性を確かめるチェックリストが付いています。輸送と保管を扱った条項が、次のものです。
医療機器は、製造販売業者等の指示及び情報に従った条件の下で輸送及び保管され、かつ意図された使用方法で使用された場合において、その特性及び性能が低下しないよう設計、製造及び包装されていなければならない。
性能が保たれる前提として、指示に従った条件が先に置かれています。有効期間についての条項も同じ形です。製造販売業者等が設定した期間内で、通常の使用条件の下で、指示に従って扱われた場合、という条件が先に来ます。
開けたあとに置き場所を変えるかどうかも、この形の中に入ります。自己判断で延ばしたり、別の製品の説明を当てはめたりする使い方は、この前提の外に出ます。
しみるなどの症状が出たときの中止と相談は、ホームホワイトニングは何ヶ月かかる?白くなるまでと戻るまでの進み方が追っています。薬剤ごとの装着時間の上限なら、デュアルホワイトニングの時間と回数は、2つの方法それぞれの側にあるが並べています。体質や口の中の状況で選べない場合については、ホワイトニングは「しない方がいい」? 言われている理由を3つに分けて考えるにあります。同じガイドラインの別の項も、そちらが読んでいます。
当院からお届けするジェル
当院では、1ヶ月ぶんとしてジェルを4本お届けしています。使い切ってしまった場合は、次のお届けを待たずに追加でお求めいただけます。
毎月11,000円(税込)です。新しくマウスピースを作る初月は22,000円(税込)。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は、マウスピースをお持ちでない方が初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)・2ヶ月目以降11,000円/月(税込)、マウスピースをお持ちの方が初月から11,000円/月(税込)です。期間・回数は歯の状態により異なり、オンライン診療にもとづいて決定されます。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
手元の本数が足りているかどうかも、オンラインで確認できます。
手元のジェルについて、よくある質問
Q. 1本でどのくらい使えますか。
A. 手元の製品について知りたいときは、その製品に付いてきた説明が確かめる先になります。当院のキットは4本で1ヶ月ぶんという組み方です。
Q. 未開封で期限内なら、濃度は表示どおりということですか。
A. ガイドラインが定めているのは幅です。表示した濃度からの変化率が+10%~-30%の範囲内、という書き方になっています。上限と下限をあわせて、幅として置いてあります。
Q. 期限が過ぎたジェルは、使わないほうがいいですか。
A. 範囲が示されている相手は、使用期限内の漂白材でした。期限を過ぎたものがどうなるかまでは、この項に出てきません。自分で判断せず、処方を受けた歯科医院に確認してください。
まとめ
ジェルについて調べたときに数字がそろわないのは、保管方法と有効期間が、製品を1つずつ評価したうえで設定されるものだからです。
だとすれば、探す場所は手元のほうになります。容器の表示と、一緒に渡された取扱説明書。そのジェルについて確かめるのは、この2つです。
出典
- 歯科用漂白材等審査ガイドラインについて(令和5年4月21日・薬生機審発0421第1号/厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課)
- オパールエッセンス10%(ULTRADENT JAPAN 株式会社/過酸化尿素10%・医療機器承認番号 21800BZG10006000)
大阪心斎橋矯正歯科のホワイトニング
通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニング剤と知覚過敏抑制剤をお届けします。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月から11,000円/月(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

