しみることがある。詰め物の色は薬剤では変わらない。ホワイトニングのデメリットとして挙がる項目は、調べればすぐに揃います。
ただ、並んだ項目を読み終えても、どのくらい身構えればいいのかは分かりません。
歯科の学会が会員向けにまとめた指針を開くと、書き方が違います。不利益をひとつ挙げたあと、そのうしろに何かが続くことがあります。中止して報告する手順だけのものもあれば、戻るまでの時間が付くもの、あとでかかる費用が付くものもあります。
しみること以外も、「不快事項」という項目に入っている
一般社団法人 日本歯科審美学会が、会員の歯科医師・歯科衛生士に向けて「歯のホワイトニング処置の患者への説明と同意に関する指針」を公開しています。処置の前に患者へ説明すべき事項を11の項目として挙げたもので、そのうちの1つが「知覚過敏をはじめとする不快事項発現の可能性」という項目です。
デメリットではなく、不快事項。少なくともこの項では、名前が違います。
「起きること」ではなく「起きる可能性を説明すること」
この項目の中身を読むと、文の終わり方に共通するものがあります。指針の文はこう閉じます。
処置中や処置後に知覚過敏が発生する可能性のあることを説明する。
主語になっているのは患者ではなく、説明する側です。何が起きるかを書いた文のうしろに、それを伝えておく、という文が繰り返し置かれています。
自宅で行う場合に挙がっているもの ── 続くのは手順だけ
同じ項の後半には、次の一文が来ます。
ホームホワイトニングの場合、歯肉の灼熱感、トレー装着による吐き気や噛みあわせの不具合、ジェルを飲み込むことによる咽頭の痛みなどが生じる可能性がある。
しみることとは別に、歯ぐきの灼熱感、吐き気、噛みあわせの不具合、のどの痛みが挙がっています。文は「など」で閉じられていて、これで尽きるという書き方ではありません。
このうち吐き気と噛みあわせの不具合にはトレーの装着が、のどの痛みにはジェルを飲み込むことが、原因として書き足されています。
そして指針は、これらの症状が出た場合について、ホワイトニングを中止し、報告して指示を受けるよう説明する、としています。ここでも、文は伝えておく側で閉じています。そこにあるのはこれだけです。消えるまでの時間も、費用も出てきません。
項目によって、あとに来るものが違う
手順だけのものは、いま見たとおりです。これから見る項目には、そこに何かが足されています。
このあとに見る項目には、戻るまでの道筋が示されています。何時間、あるいは何日で戻るのかを数字で挙げたものもあれば、戻る経路のほうを述べたものもあります。
その次に見る項目に来るのは、あとでかかる費用です。戻るという言い方をしていない代わりに、お金の話が来ます。
いま気になっている1つに何が足されているか。それによって、次にやることが変わります。
戻るまでの道筋が書かれているもの
しみる ── 中止すれば数時間から数日
指針は、ホワイトニング剤がエナメル質を透過して象牙質まで達し、歯質内部にまで漂白作用が及ぶとしています。知覚過敏の可能性を説明する、という一文はこのあとに来ます。
そのあと、中止と再開についての一文をはさんで来るのが、次の一文です。
知覚過敏は通常一過性で、ホワイトニングを中止すれば数時間から数日で消失するとされているが、症状が著しい場合は適切な知覚過敏処置を行う。
条件も一緒です。消えるのは「中止すれば」で、はさまれていた一文がその中止を求めるものにあたります。指針は、知覚過敏が生じた場合はただちにホワイトニングを中止し、再開については歯科医師の指示に従っていただくよう理解を得ることとしています。続けたまま様子を見る、という形は置かれていません。
一過性、数時間から数日。戻るまでの長さが、そのまま数字で示されています。
中止したあとに何をどう調整するかについては、ホームホワイトニングは何ヶ月かかる?白くなるまでと戻るまでの進み方のほうに出てきます。
歯ぐきに薬剤が付いたとき ── 戻るまでの時間と、その場ですること
こちらは診療室で使う薬剤についての記述です。指針は、オフィスホワイトニングジェルが軟組織に付着した場合、痛みと組織の白色化が生じるとしています。そのうえで、こう続きます。
痛みは1〜3時間後に、白色化は3〜6時間後に消失するが、付着した場合は多量の水で洗い流す。
同じ数字が、別の箇所にも出てきます。濃度の高い薬剤を扱った箇所では、この時間を挙げる直前に侵襲は上皮に限局しているのでという理由が付いています。
先に引いた一文には、時間だけでなく、その場で何をするかも入っています。
なお、ここで扱われているのは診療室で歯科医師や歯科衛生士が用いる薬剤で、自宅で使うものの話ではありません。診療室での進み方はオフィスホワイトニングは1回で終わる?回数・持ち・しみやすさの関係に、光を当てる工程にだけ付く条件はデュアルホワイトニングの時間と回数は、2つの方法それぞれの側にあるにまとめてあります。
歯の表面そのものも荒れる ── 比べる相手と、そのあいだの指示
不快事項とは別に、薬剤が歯の表面に何をするのかを扱った項があります。しみるかどうかとは別の話です。
ホワイトニング剤は歯の表面を保護している有機性の被膜であるぺリクル(獲得被膜)を除去し、濃度により程度の差はあるがエナメル質表面は荒れる。
荒れる、と書かれています。ぼかされていません。
ただし、文はここで終わりません。
このホワイトニング剤による歯の表面性状の変化は、酸性飲料やコンポジットレジン修復の際のエナメル質エッチングよりも軽微で、唾液による再石灰化作用で回復する。
足されているものが、ここにもあります。ひとつは比べる相手。酸性の飲みものや、詰め物の治療で歯の面を処理する工程と並べたうえで、それより軽微だという位置づけです。もうひとつは回復の経路。唾液のはたらきで戻る、という道筋のほうです。
回復すると書いたうえで、指針はそのあいだの指示を別に置いています。歯の表面にこのような一時的変化があるため、オフィスホワイトニングの場合処置後24時間、ホームホワイトニングの場合は実施期間中、着色性飲食物や酸性飲料の摂取、喫煙などは避けるよう指導する、という書き方です。
荒れるか荒れないかではなく、どのくらい荒れて、どう戻るか。ここでも、項目のうしろに続くものが答えになっています。
歯の質そのものがどうなるかについては、制度のほうに別の目盛りがあります。硬さの低下率と溶ける深さに上限を置いている審査基準の話は、ホワイトニングは「しない方がいい」? 言われている理由を3つに分けて考えるが引き受けています。
しみることと、歯ぐきに薬剤が付いたときは、どちらも使う薬剤に関わります。薬剤ごとに条件が違ってくる点は、ホームホワイトニングの効果を、条件の側から読むが追いました。
あとでかかる費用が付く項目
人工の材料には、戻るまでの見通しがない
元に戻る、とは述べられていない項目があります。
歯の詰め物やかぶせ物は、ホワイトニングをしても白くはならないこと(…)を説明する。
指針が挙げているのは詰め物とかぶせ物です。薬剤が作用するのは歯の組織のほうです。差し歯やインプラント、セラミックのように別の材料でできたものも、色は動きません。
ここには「何時間で」も「何日で」も付いていません。待っていても変わらないものです。
そのあとに出てくるのは、やりなおしの費用
同じ文の後半から、次の一文にかけて、もうひとつ出てきます。
(…)ホワイトニング後に色の差が気になる場合、やりなおす必要があることを説明する。その可能性のある部位をあらかじめ明確にしておき、やりなおしに必要な費用は別途必要になることを説明する。
ここに入っているのは、色の差が気になったときにやりなおしが要ること、その部位を先に明らかにしておくこと、そして費用は別に発生することです。
「あらかじめ」がいつを指すかも、はっきりしています。色の差が出てから該当する歯を探すのではなく、始める前にその可能性のある部位を挙げておく、という順序です。
費用そのものをどう見積もるかは、ホワイトニングの値段はなぜ幅がある?総額を決める4つのことが総額の面から扱っています。
「あらかじめ明確にしておく」の中身は、別の項にある
指針は、口腔内の状態を扱った項で、検査を行ったうえでその状態を患者に説明することとしています。歯の状態として確かめる項目のなかに、歯冠修復物と補綴装置が挙がっています。詰め物と、かぶせ物のことです。
色の差が出る可能性のある部位を明確にしておく、というのは、心当たりを思い出す作業ではありません。同じものが、始める前の検査で確かめる項目としても挙げられています。
その部位が何本になるかは、どの歯に何が入っているかで変わります。
中断したときの取り決めも、費用の項にある
指針には、費用を扱った項が別に立っています。総額と、そこに含まれる内容を説明することに加えて、いくつもの費用が並びます。
追加の処置を希望した場合の費用。知覚過敏処置を行う場合の来院手続きや費用。ホワイトニングトレー再製作の必要が生じた場合の費用。メインテナンスの間隔とその費用と、タッチアップホワイトニングの費用。最後に挙がるのが、知覚過敏などでホワイトニングを中断した場合や再開した場合の取り決めです。
中断したこと自体の扱いは、この費用の項にあります。取り決めを先にしておくよう書かれているのも、ここです。
当院のキットに入っているジェル
毎月届くキットで進めるのが、当院のホワイトニングです。その中にホワイトニングジェルが入っていて、使われているのは国内で承認された薬剤のみです。
費用は月ぎめです。初月にかかるのは、マウスピースの作成が必要な方が22,000円(税込・作成分を含みます)、すでにお持ちの方が11,000円(税込)。2ヶ月目からはどちらも11,000円(税込)です。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は、マウスピースをお持ちでない方が初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)・2ヶ月目以降11,000円/月(税込)、マウスピースをお持ちの方が初月から11,000円/月(税込)です。期間・回数は歯の状態により異なり、オンライン診療にもとづいて決定されます。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
よくある質問
Q. 症状が出ても、そのまま続けていいですか。
A. 指針はそうしない形を取っています。知覚過敏が生じたときは、ただちに中止する。再開してよいかどうかは歯科医師の指示による。自宅で使う場合に挙がっている症状も、出たら中止して報告し、指示を受ける。いずれも、患者に理解しておいてもらう事項として並べられています。様子を見るという選択肢は置かれていません。
Q. 時間も費用も書かれていない項目は、軽いということですか。
A. 時間が示されていないことは、症状が軽いという意味ではありません。指針が項目ごとに挙げているものは、手順だったり、戻るまでの時間だったり、費用だったりします。並び順は重さと対応していません。ここで見た項目のうち、時間が出てこないものにも、そのあとどうするかは書かれています。むしろ見通しが示されていないぶん、その手順のほうが手がかりになります。
Q. 店頭で買える製品でも、同じことが起こりますか。
A. 指針が扱っているのは、歯科医院で歯科医師または歯科医師の指導のもとで歯科衛生士が行う処置です。店頭や通販で手に入る製品は、この指針の範囲の外にあります。両者の境界がどこにあるかは自宅でのホワイトニングは2種類ある|市販品と歯科の薬剤は何が違うのかが整理しています。
まとめ
指針が、あらかじめは決まらないとしている部分もあります。効果の程度や持続期間については、変色の原因、程度、歯質の状態、生活習慣、セルフケアの状況など、様々な要因による個人差があるために予測が困難だ、という書き方です。本人の感じ方や満足度によっても異なる、とも添えられています。
そのうえで、次の一文があります。
処置の成果を確約する性質の契約ではないことを確認し、患者の十分な納得を得て事後のトラブルを予防する。
成果を先に約束する形ではない、という前提が明文で置かれています。
一覧を前にして全体に身構える代わりに、気になっている1つを取り出して、そこに何が書かれているかを見る。返ってくるものは、項目によって違います。
出典
大阪心斎橋矯正歯科のホワイトニング
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月から11,000円/月(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

