デンタルローンについて調べると、金利や回数の説明を探しても医院のページに書かれていないことがあります。Oh my teethの案内にも、利用できることと審査があることは書かれていますが、金利や回数の上限は記載されていません。
これは情報が足りないのではなく、決めているのが医院ではないからです。
デンタルローンは、患者と信販会社の間の契約です。この一点を押さえると、審査があること、金利が書かれていないこと、そして治療をやめても返済が残ることまで、すべて同じところから説明がつきます。
Oh my teethで案内されている支払い方法
まず公式サイトの記載を確認します。
立替払いによる分割
ご利用いただけます。ご自身でお好きな分割回数を指定することが可能です。(ローン会社独自の審査があります。)
利用できること、回数を指定できること、審査があることの3点が書かれています。
一括で払う方法も案内されている
クレジットカード払い・銀行振り込みにも対応しています
分割にする方法はローンだけではありません。
記載がない項目
一方で、金利、信販会社の名前、分割回数の上限については記載がありません。
⚠️ ここを推測で埋めるべきではありません。なぜ書かれていないのかには理由があります。
デンタルローンは誰と誰の契約か
ここが本題です。
信販会社が治療費を立て替える
デンタルローンの仕組みは、信販会社が患者の治療費を医院に立替払いし、患者はその立替分を信販会社に返済していくというものです。国税庁の案内にも同じ説明があります。
歯科ローンは、患者が支払うべき治療費を信販会社が立替払をして、その立替分を患者が分割で信販会社に返済していくものです。
医院に支払われるのは一度に全額
つまり医院は、契約が成立した時点で治療費を受け取っています。分割になっているのは、患者と信販会社の間だけです。
返済先は医院ではない
毎月の返済は、医院ではなく信販会社に対して行われます。医院はその流れに関与していません。
だから審査も信販会社が行う
公式サイトの「ローン会社独自の審査があります」という一文は、このことを示しています。お金を貸すのは信販会社なので、返済できるかどうかを判断するのも信販会社です。医院が審査に関わることはありません。
⚠️ 審査で何が見られるのかについては、以下の記事で扱っています。
金利や回数の上限が医院の案内に書かれない理由
同じ理由です。金利も、選べる回数も、決めているのは信販会社です。医院の側で決められないものを医院のページに書くことはできません。
これらは申込先の会社の商品説明で確認する項目になります。
治療をやめても返済は残る
⚠️ これは始める前に知っておいていただきたい点です。
2つの契約が別々に動く
デンタルローンを使うと、契約が2本になります。
| 契約 | 相手 | 内容 |
|---|---|---|
| 治療の契約 | 医院 | 治療を受ける/費用を支払う |
| 立替払いの契約 | 信販会社 | 立て替えてもらった分を返済する |
この2本は別のものです。
医院との精算と、返済は別の手続き
そのため、治療を途中でやめた場合も、返済がその場で止まるわけではありません。
医院との間では、受けた治療に応じた精算が行われます。一方、信販会社への返済は、契約に沿って続きます。返金が生じる場合も、その扱いは契約の内容によります。
🔴 「治療をやめれば支払いも終わる」とは考えないでください。別々に手続きが必要になります。
始める前に確認しておきたいこと
- 途中でやめた場合、医院との精算がどうなるか
- そのとき信販会社への返済がどう扱われるか
- 繰り上げて返済できるか、その場合の条件
この3点は、契約前に両方の窓口に確認しておく価値があります。
当院では診察料・検査料が無料です。まず状態を確認してから、費用と支払い方法を考えることができます。
医療費控除の扱いも同じ構造から決まる
契約の相手が信販会社であることは、税の扱いにも影響します。
対象になるのは「立て替えられた年」
国税庁の案内には次のように書かれています。
信販会社が立替払をした金額は、その患者のその立替払をした年(歯科ローン契約が成立した時)の医療費控除の対象になります。
🔴 分割で返済している年ではなく、立替払いがあった年です。
数年にわたって返済していても、対象年は1年
たとえば契約が2026年に成立し、返済が2030年まで続く場合でも、医療費控除の対象になるのは2026年分ということになります。返済している各年に分けて申告するものではありません。
金利と手数料は対象にならない
歯科ローンに係る金利および手数料相当分は医療費控除の対象になりません。
治療にかかった費用ではないためです。ここでも、治療の契約と立替払いの契約が別物であることが表れています。
手元に医院の領収書がない場合がある
医院への支払いは信販会社が行うため、患者の手元に医院の領収書が残らないことがあります。
この場合には、医療費控除を受けるときの支出を証明する書類として、歯科ローンの契約書や信販会社の領収書を保存してください。
⚠️ 契約書は捨てずに保管してください。
なお、申告の手順や対象範囲については以下の記事にまとめています。個別の判断が必要な場合は、税務署にご確認ください。
回数を選べるということ
公式サイトには、「ご自身でお好きな分割回数を指定することが可能」と記載されています。
回数は借りる側が選ぶ
これは信販会社の商品として回数の選択肢があり、その中から選べるという意味です。医院が回数を指定するものではありません。
選び方は月々の額だけでは決められない
回数を多くすれば月々の額は下がりますが、それだけで判断すると見落とす部分があります。表示されている月額が何を前提にした数字なのかは、条件とあわせて読む必要があります。
この読み方については、別の記事で詳しく整理しています。
カードの分割払いとは契約の性質が違う
⚠️ どちらも分割ですが、同じものではありません。
クレジットカードの分割払いは、すでに持っているカードの利用枠の中で行うものです。一方デンタルローンは、その治療の費用のために個別に結ぶ契約です。
そのため、申込のたびに審査があり、利用できる金額もその都度決まります。カードの枠とは別枠になるという点も違いです。
ローンを使わない方法もある
公式サイトにはクレジットカード払いと銀行振込も案内されています。分割にする必要がなければ、信販会社との契約自体が発生しません。
返済が残るという状態を作らずに済むという点で、これも選択肢のひとつです。
契約の相手が2つあると、窓口も2つになる
もうひとつ実務的な点があります。分からないことが出てきたとき、聞く先が内容によって変わります。
| 聞きたいこと | 窓口 |
|---|---|
| 治療の内容、期間、精算 | 医院 |
| 返済額、回数の変更、繰り上げ返済 | 信販会社 |
医院に返済のことを聞いても答えは出ませんし、信販会社に治療のことを聞いても同じです。
⚠️ どちらに聞けばよいかを分けておくと、手続きが早く進みます。
順序を逆にすると判断を誤る
順序についても触れておきます。
範囲が決まってはじめて金額になる
治療の内容は、検査で状態を確認し、方針を立て、そこから範囲と費用が決まります。支払い方法を考えるのは、その後です。
支払い方法から入ると順序が逆になる
「月々いくらまでなら払える」から出発すると、それに合う治療を探すことになります。しかし自分の状態に何が適しているかは、検査を経ないと分かりません。
総額が分かってから考える
先に決まるのは総額です。支払い方法はその総額をどう払うかの話であり、治療の中身を決める材料ではありません。
費用の全体像については、以下の記事で扱っています。
総額が出てから支払い方法を選ぶ
当院では口腔内をスキャンして状態を確認し、歯を動かした場合の歯並びを3Dのシミュレーションで見ていただけます。これは歯並びのシミュレーションであり、顔全体の変化を示すものではありません。診察料・検査料は無料です。
検査を受けたうえで、総額と、そこからどう支払うかを考えていただけます。
なお、検査の結果として対応できないとお伝えすることがあります。その場合、支払い方法の検討には進みません。
自由診療に関する注記
マウスピース型矯正装置による歯列矯正は自由診療(保険適用外)です。マウスピース矯正 Oh my teeth の標準的な費用はLiteプラン 150,000円(税込・平均約2ヶ月)、Basicプラン 330,000円(税込・平均約3ヶ月)、Proプラン 660,000円(税込・平均約6ヶ月)です。記載の期間は歯を動かす矯正期間であり、後戻りを防ぐ保定期間は含みません。主なリスク・副作用として、歯の痛みや違和感、歯根吸収、歯ぐきの退縮に伴うブラックトライアングル(歯と歯の間の隙間)などが生じる場合があります。IPRを行う場合はエナメル質を削るため、知覚過敏が生じることがあります。重度の歯周病や顎関節症のある方、骨格性の不正咬合が強い方などは治療をお受けいただけない場合があります。なおLiteプランには安心保証制度・ワイヤー補償は付帯しません(Basic・Proプランのみ)。
よくある質問
Q. 金利は何パーセントですか。
A. 公式サイトに記載はありません。金利を定めるのは信販会社であり、医院ではないためです。申込先の会社の商品説明でご確認ください。
Q. 審査に落ちたら治療は受けられませんか。
A. デンタルローンが使えないというだけです。公式サイトにはクレジットカード払いと銀行振込も案内されています。審査の内容については医院ではお答えできません。
Q. 治療が途中で終わったら、返済も止まりますか。
A. 止まりません。医院との精算と、信販会社への返済は別の手続きです。扱いは契約の内容によるため、両方の窓口にご確認ください。
Q. 医療費控除は返済している年ごとに申告しますか。
A. いいえ。国税庁の案内では、立替払いがあった年(契約が成立した年)の医療費控除の対象とされています。金利と手数料は対象になりません。
まとめ
Oh my teethのデンタルローンについて、整理すると次のようになります。
- 公式に案内があるのは — デンタルローン(回数の指定が可能・ローン会社独自の審査あり)、クレジットカード払い、銀行振込
- 金利・信販会社名・回数の上限は記載がない — 決めているのが医院ではないため
- 🔴 契約の相手は信販会社 — 信販会社が医院に立て替え、患者は信販会社に返済する
- 🔴 治療をやめても返済は残る — 医院との精算と信販会社への返済は別の手続き
- 🔴 医療費控除の対象は立替払いがあった年 — 返済している各年ではない。金利と手数料は対象外
- 医院の領収書が手元にない場合がある — 契約書や信販会社の領収書を保存する
- 支払い方法は総額が決まってから考えるもの
契約が2本あるということ。ここを理解しておくと、途中で何かあったときにも、どこに何を確認すればよいかが分かります。

