矯正の費用相場は調べた。一括で払うのは無理だから、分割ができるかどうかで始められるかが決まる。学生の方からは、こうした状況をよく伺います。
支払い方法を紹介した記事はいくつも見つかります。デンタルローン、院内分割、クレジットカード。ただ、そこには「こういう方法があります」と書かれているだけで、学生である自分がその方法を使えるのかは書かれていません。
学生の場合、実際の壁になるのは費用の総額よりも審査です。そして審査を通るかどうかは、未成年か成人か、収入が安定しているか、保証人を立てられるかといった条件で変わります。
この記事では、審査で何が見られるのかを整理したうえで、学生が実際に取れる3つの選択肢を見ていきます。あわせて、総額そのものを下げるという考え方にも触れます。
学生にとっての壁は総額より審査
まず、この記事の前提を確認します。
審査のある方法とない方法がある
分割で支払う方法は、大きく分けると審査のあるものとないものに分かれます。デンタルローンやクレジットカードの分割は審査があり、医院が独自に行う分割払いには審査がない場合があります。
審査で見られるのは主に返済能力
ローンの審査で重視されるのは、契約者に返済を続ける能力があるかどうかです。その判断材料になるのが安定した収入です。毎月いくら入ってくるかが読める状態かどうか、という点が見られます。
学生はここで条件から外れやすい
アルバイト収入は、シフトの入り方によって月ごとに変わることが多いものです。金融機関は返済能力を評価する際に安定性を重視するため、変動する収入は不利に働きやすいとされています。
つまり学生の場合、支払い方法の一覧を眺めても判断がつきません。方法の数ではなく、自分がその方法を使える立場かどうかが問題になります。ここから逆算して考えていきます。
未成年か成人かで取れる手段が変わる
最初の分かれ目は年齢です。
未成年は本人名義で契約できない
未成年の場合、デンタルローンに限らず、ローン会社と本人名義で契約を結ぶことはできません。これは医院や会社の方針ではなく、契約そのものの扱いによるものです。
親名義での契約が現実的
したがって未成年の方が分割を利用する場合、保護者の名義で契約してもらう形が現実的になります。申込や審査は保護者に対して行われることになります。
成人していれば申込は可能
成人していれば、本人名義で申し込むこと自体はできます。ただし申し込めることと、審査を通ることは別です。ここは次の見出しで見ていきます。
年齢の確認を先にしておく
相談の場で支払い方法を聞く前に、自分がどちらに当たるかを踏まえておくと、話が早く進みます。未成年であれば、そもそも保護者の関与が前提になるためです。
成人した学生の場合|審査で見られること
成人している学生が本人名義で申し込む場合、どう扱われるのかを見ていきます。
アルバイト収入は評価されにくい
前述のとおり、アルバイトの収入は月ごとに変動しやすい性質があります。金融機関が求める「安定した収入」という条件に対して、評価されにくい傾向があります。
保証人なしでは難しいとされる
こうした事情から、学生が保証人なしでデンタルローンを通すのは難しいとされています。ローン会社にとって、返済が滞る可能性を見込みにくいためです。
学生向けのプランがある会社もある
一方で、会社によっては学生を対象にしたプランを用意している場合があります。また、アルバイトであっても継続的で安定した収入がある場合には、保証人なしで利用できることもあるとされています。
基準は会社によって異なる
重要なのは、これらの条件は会社によって異なるという点です。ある会社で通らなかったからといって、どこでも同じとは限りません。逆に、どこかで通ったという話が自分にも当てはまるとも限りません。
この記事を含め、審査に通るかどうかを外から保証することはできません。実際の可否は、申し込んでみないと分からない部分です。
学生が取れる3つの選択肢
条件を踏まえると、選択肢は次の3つに整理できます。
| 選択肢 | 審査 | 必要になるもの | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| ① 親名義でデンタルローンを契約 | あり(保護者が対象) | 保護者の同意と申込 | 未成年の場合はこれが基本 |
| ② 保証人を立てて本人名義で契約 | あり(本人が対象) | 保証人 | 成人していて本人名義にしたい場合 |
| ③ 院内分割を利用 | ない場合がある | 保護者の署名を求められることが多い | 審査の面で不安がある場合 |
① 親名義でデンタルローンを契約する
未成年の場合はこの形が基本になります。成人していても、審査の面で難しいと見込まれる場合には選ばれることがあります。
契約者が保護者になるため、返済の責任も保護者が負う形になります。実際の支払いを本人が行うとしても、契約上の位置づけは別だという点は理解しておく必要があります。
② 保証人を立てて本人名義で契約する
成人していて、契約を自分の名義にしたい場合の方法です。保証人を立てることで、収入の安定性という条件を補う形になります。
保証人になれる人の条件は会社によって異なります。
③ 院内分割を利用する
医院が独自に行う分割払いです。デンタルローンのような審査がない場合があり、その点で学生でも利用しやすいとされています。
ただし、未成年や学生の場合は保護者の署名を求められることが多いという点は押さえておく必要があります。また、取り扱いの有無や回数・条件は医院によって異なります。
共通しているのは保護者の関与
3つを見比べると、いずれの選択肢でも何らかの形で保護者が関わる場面が出てくることが分かります。名義であれ、保証人であれ、署名であれ、完全に自分だけで完結させるのは難しいのが実際のところです。
自分の場合にどの選択肢が現実的か、総額がいくらになるか。これは治療内容が決まらないと具体化しません。診察料・検査料が無料であれば、費用をかけずに相談できます。
総額を下げれば月々の負担も軽くなる
分割の話とあわせて、もうひとつの方向も見ておきます。
月額は総額から決まる
当たり前のことですが、分割の月額は総額を回数で割ったものです。総額が下がれば、月額も下がります。そして月額が下がれば、無理なく続けられる範囲に収まりやすくなります。
審査の面でも、借入額が小さいほうが条件は軽くなる傾向があります。
治療範囲を限定するという選択肢
気になる部分が限られているなら、動かす範囲を絞る方法があります。全体を動かす場合と比べて総額が変わります。詳しくは部分矯正が向いている歯並びは?向いてる症例や費用を紹介と部分矯正の値段を矯正方法別に比較にまとめています。
ただし、対応できる範囲は歯並びの状態によります。希望だけで決められるものではありません。
モニターという選択肢
条件を満たせば費用が抑えられる制度もあります。内容や条件は医院によって異なるため、確認したうえで判断することになります。詳しくはマウスピース矯正のモニターはいくら安くなる?条件と注意点を解説をご覧ください。
医療費控除で実質の負担が下がる場合がある
支払った医療費に応じて、税金の一部が戻ってくる制度があります。学生本人に所得がない場合でも、生計を同じくする家族の申告に合算できることがあります。歯科矯正で使える医療費控除のやり方は?申請時のポイントも解説で扱っています。
費用を抑える方法全般についてはお金がなくても歯科矯正を受けるための方法を紹介!にまとめています。
無理のある月額は避ける
最後に、これは強調しておきたい点です。月々の支払いが生活を圧迫すると、治療の継続そのものが難しくなります。
矯正は数ヶ月から年単位で続く治療です。途中で支払いが滞れば、治療を中断せざるをえない場合もあります。中断すると、動かしている最中の歯が元に戻っていく可能性があります。分割できるかどうかだけでなく、その金額を続けられるかどうかまで含めて考えることになります。
親に相談するときに整理しておくとよいこと
ここまで見たとおり、多くの場合で保護者の関与が必要になります。相談を切り出しにくいと感じる方もいますが、整理してから話すほうが伝わりやすくなります。
選択肢を先に整理しておく
「矯正したい、お金を出してほしい」という切り出し方と、「こういう方法があって、自分はこれを考えている。ついてはこの部分で協力してほしい」という切り出し方では、受け取られ方が変わります。名義が必要なのか、署名が必要なのか、金銭的な負担を求めるのかを分けて伝えられると、話が具体的になります。
数字を用意しておく
総額、月々の金額、期間の見通し。この3つがあれば、相手も判断ができます。逆にこれらが曖昧なままだと、答えようがありません。
見た目のイメージがあると伝わりやすい
治療計画の段階では、3Dシミュレーションで治療後の歯並びを確認できます。口頭で説明するより、画像を見せるほうが必要性が伝わりやすい場合があります。
断られた場合の選択肢も持っておく
協力が得られない可能性もあります。その場合に、就職後に始めるという選択肢や、範囲を限定して総額を下げるという選択肢を持っておくと、話が行き止まりになりません。
学生のうちに始める場合の考え方
始める時期についても触れておきます。
在学中は予定の融通が利きやすい
授業の時間割は決まっていますが、社会人と比べると調整の余地があることが多いものです。通院の予定を入れやすいという面では、在学中に利点があります。
就職後は収入が安定する一方で
就職すれば収入が安定し、審査の面では条件が良くなります。一方で、勤務時間や勤務地の都合で通院の予定を取りにくくなる場合もあります。
予定がある場合は事前に相談
留学や引っ越しの予定がある場合は、その時期を伝えたうえで計画を立てることになります。矯正中に留学する時の対処法は?歯並びを治す矯正の種類も紹介で扱っています。
どちらが良いということはない
在学中と就職後、どちらが優れているということはありません。収入の安定を取るか、時間の融通を取るかという条件の違いです。高校生の段階から検討する場合については高校生からの矯正は遅い?費用・期間・歯並びをなおすメリットを解説にまとめています。
当院の進め方
マウスピース矯正 Oh my teeth では、診察料・検査料は無料です。治療計画の段階では3Dシミュレーションで治療後の歯並びを確認でき、保護者に説明する際の材料にもなります。
治療範囲に応じて3つのプランがあり、範囲によって総額が変わります。歯を動かす期間も範囲によって変わり、後戻りを防ぐ保定期間は別に必要です。支払い方法の取り扱いについては、相談時にご確認ください。
自由診療に関する注記
マウスピース型矯正装置による歯列矯正は自由診療(保険適用外)です。マウスピース矯正 Oh my teeth の標準的な費用はLiteプラン 150,000円(税込・平均約2ヶ月)、Basicプラン 330,000円(税込・平均約3ヶ月)、Proプラン 660,000円(税込・平均約6ヶ月)です。記載の期間は歯を動かす矯正期間であり、後戻りを防ぐ保定期間は含みません。主なリスク・副作用として、歯の痛みや違和感、歯根吸収、歯ぐきの退縮に伴うブラックトライアングル(歯と歯の間の隙間)などが生じる場合があります。IPRを行う場合はエナメル質を削るため、知覚過敏が生じることがあります。重度の歯周病や顎関節症のある方、骨格性の不正咬合が強い方などは治療をお受けいただけない場合があります。なおLiteプランには安心保証制度・ワイヤー補償は付帯しません(Basic・Proプランのみ)。
よくある質問
Q. 審査に落ちたらどうなりますか?
その方法が使えないというだけで、治療そのものができなくなるわけではありません。別の会社に申し込む、保証人を立てる、審査のない院内分割を検討する、総額を下げるといった選択肢が残ります。落ちた理由は開示されないことが多いため、次の手を考えるほうが早く進みます。
Q. 親に知られずに始められますか?
未成年の場合は、本人名義での契約ができないため難しいのが実際です。成人していても、収入の条件によっては保証人が必要になったり、院内分割で保護者の署名を求められたりすることがあります。完全に自分だけで完結させられるかは、年齢と収入の状況によります。
Q. 途中で支払いが難しくなったらどうなりますか?
契約内容によって扱いが異なるため、契約前に確認しておくことが大切です。支払いが滞ると治療の継続が難しくなる場合があり、中断すれば歯が元の位置に戻っていく可能性もあります。始める前に、続けられる金額かどうかを見ておくことになります。
Q. 就職してから始めたほうがいいですか?
一概には言えません。収入が安定すれば審査の条件は良くなりますが、通院の時間を取りにくくなる場合もあります。歯並びの状態によっては、早く始めたほうが治療範囲を抑えられることもあります。時期の判断材料として、一度状態を診てもらうという方法もあります。
まとめ
学生が歯列矯正を分割で支払えるかどうかは、費用の総額よりも審査が実際の壁になります。審査で見られるのは主に安定した収入であり、アルバイト収入は変動しやすいため評価されにくい傾向があります。
未成年であれば本人名義での契約はできず、保護者の名義が前提になります。成人していても、保証人なしで通すのは難しいとされますが、学生向けのプランを持つ会社もあり、基準は会社によって異なります。
取れる選択肢は、親名義での契約、保証人を立てた本人名義での契約、審査のない院内分割の3つに整理できます。いずれも保護者が何らかの形で関わる場面が出てきます。
そして分割の可否と同じくらい大切なのが、その金額を続けられるかどうかです。総額を下げる方法もあわせて検討したうえで、無理のない形を選ぶことになります。
出典
- 学生でも歯列矯正費用を分割払いにできる?分割方法や条件について(マウスピース矯正ローコスト)
- デンタルローンとは?審査条件やおすすめのローン会社などを解説(難波矯正歯科)
- 学生でもできる!歯列矯正の分割払いの仕組み・費用・お得な支払い方法を解説(港区・品川 マウスピース矯正ナビ)
- デンタルローンの審査について。気になる医療費控除についても徹底解説!!(和光市デンタルオフィス)

